津山の狂気とさくらの狂気
イベントパートナー高橋です。
日本大道芸フェスin津山さくらまつり、終了しました!大きなトラブルなく、無事終了したことに安堵し、後片付けも終わり2週間ほど経ちましたので、ここで振り返りとして、色々と今回の顛末をまとめていきます。
そうすることが未来につながると信じて。
では。
津山の狂気
2024年8月末、初めて津山市役所の担当のYさんから連絡を頂き、わくわくした気持ちを今でも鮮明に覚えています。もしかしたらまた大道芸フェスが出来るかも!と、他の仕事そっちのけで提案を考えていました。
このあたりの心境は以前に書いたこちらが詳しいです。
WEB打ち合わせ、現地下見、長い準備期間を経て、当日に至ります。
当日は天候にも恵まれ大勢のお客様を満開のさくらと超一流のパフォーマーさんでお出迎えすることができました。初めての場所で初めての試みですから、多少のトラブルはありましたが、大きなものはなく、安全にお客様にパフォーマンスを楽しんで頂けたと思います。担当のYさんにもお褒めの言葉を頂きましたし、私達としても反省すべきは反省しつつも、今回、津山さくらまつりにおいて、日本大道芸フェスに求められたことにはある程度答えられたかな?と感じています。
求められたと思っていることは次のことでした。「津山城にさくらを見に来た大勢のお客様の足を止め、感動、驚きの生体験をしてもらい、さくらまつりに満足して、良い思い出とともに帰ってもらう。」
私達は上記の求められていることを達成したうえで、「初めて大道芸を見るような、津山のお客様に大道芸を好きになってもらう」「県外からも日本大道芸フェス目的の来津者を呼び込むことで経済効果を生み、津山が潤う形とする。」「来年以降も日本大道芸フェスが開催され、ひいては日本大道芸フェスがさくらまつりの名物になる」ことを目指しました。大きな大きな目標です。これらの目標を達成するためには、予算を度外視する必要がありました。
日本大道芸フェス公式サイト運営、SNSでのPR活動、パンフレット作り、キーホルダープレゼントなどを、許可は頂きましたが、費用を頂くことなく、いわば勝手に行い、無い頭を振り絞って津山市及びさくらまつりのためにとにかく出来ることを積み重ねました。普通のことを普通にやっていては、これらの大きな目標は達成できないと思ったからです。
大道芸は人混みが人混みを呼ぶ構造なので、最初のほんの少しの違いが、大きな違いにつながることがあるため、とにかく全力で挑みました。
結果的に日本全国から、決してアクセスが良いとはいえない津山市に100名以上の県外の大道芸ファンが駆けつけてくれました。人の導線から少し外れたスポットの朝イチのステージでショーがスタートできたのは、熱心な大道芸ファンのおかげかもしれません。ショーが始まってしまえば、日本大道芸フェスのパフォーマーの皆さんですから、最終的には人だかりですが。スタートの段階で人がいることにどれだけ助けられたか。
もちろん大前提として、皆さんはパフォーマーさんをお目当てに来られていますから、私達の様々な活動の影響は微々たるものかもしれません。
それでも朝イチお客さんがゼロでショーが開始できない。投げ銭も入らない、みたいな夢を開催期間までの間に何度も見た自分としては、日本大道芸フェスにお越しくださったすべての大道芸ファンのかたに熱く熱く御礼申し上げます。
そして「津山の狂気」と銘打っているのは、担当のYさんのことです。(褒めています)
お話を伺うに、もとからの大道芸ファンという訳ではありません。大道芸を見たことはあるようですが。その中で、大道芸に興味を持ち、私達のWEBでの振る舞い(日本大道芸フェスの履歴等)を見て、イベントパートナーにも可能性を感じてくださいました。
そのうえで、大道芸ファンの方々ならご理解頂けると思いますが、今回出演をいただいたパフォーマーさん達は、本当に日本トップクラスのパフォーマーさんたちです。さくらまつりシーズンという大道芸人さんにとって一番の稼ぎ時でもあるこの時期に、初めての場所でお客さんがどの程度集まってくださるか未知数、そして雨ならほぼ実入りなしという環境ですから、パフォーマーさんたちにある程度の出演料をお支払いする必要があります。また同時に、普段から投げ銭が前提となる現場を活動の主としているわけではないパフォーマーさんも招聘するためには、投げ銭の収入だけでなく、ある程度の出演料を支払う必要があります。これは「初めて大道芸を見るような、津山のお客様に大道芸を好きになってもらう」という目標を達成するために、多種多様なパフォーマーさん、すなわち大道芸とは奥深くそして幅広い様々なエンタメを包括していることを示すためであり、「来年以降も日本大道芸フェスが開催され、ひいては日本大道芸フェスがさくらまつりの名物になる」ため、パフォーマーさんに負担やリスクを被せる形では、長期的な展望は描けないからです。
(ここまであけすけにお話するのは。。。との思いはありつつも、私なりの誠意で筆を取っています。)
そのなかで、事業予算の兼ね合いなどで金額の多少の調整はありましたが、私達の提案するパフォーマーさんと出演料に対して、基本的に大きな値段の交渉はなく、その妥当性を信じてくださいました。これは、この仕事をやっている方ならわかると思いますが、それほど頻繁にあることではありません。
他のお仕事においても、初めての取引先かつ初めて購入する商品の品質を全面的に信頼して発注いただくことが、どれだけ稀なことか?と考えていただくとイメージがつくのではないでしょうか?
日本大道芸フェスという冠のフェスにして頂けたことも、(すでに存在していた催しであることから)認知の促進につながったと思いますし、基本的に私達のやりたいように全面的に信頼して頂いて、自由にやらせてくれました。
これを私は「津山の狂気」と呼んでいます。(褒めています)
これだけ全面的に信用して頂いたら、その信用に応えないといけません。その結果、以下のような光景が広がりました。
頑張って本当によかった!






さくらの狂気
もうこれは、現地でさくらをみた人たちにしかわからないと思うのですが、津山城のさくら、本当に本当にすごかった!本当に乱れ咲き、狂い咲きとはこのこと。今までの人生で見たさくらのなかでも一番だったかもしれません。
日本大道芸フェス前日の4/4(金)が5分咲きで、開催日の4/5(土)7.5分咲き、4/6(日)満開と、前日の設営から当日の運営中に至るまでの間、ふと桜を見る度にどんどん桜の花びらが開いていくかのよう錯覚(実際にもそうだったのでしょう)に陥り自分の心の高鳴りとリンクしているような感覚がまだ残っております。
写真ではこの光景をうまく表すことができませんが、本当に圧巻でした。

そしてもう一つの狂気
今回始めての場所初めての試みで不安であったのが、「初めて大道芸を見るような、津山のお客様」が、大道芸をより楽しんでいただくために、各スポットMCに始まり、運営管理を専属でする方が必要と考えていました。
そして、日本大道芸フェスを愛知県で開催していたときから、ご自身も演者であるにもかかわらず、運営のお手伝いをお願いしておりましたバルーンパフォーマーエルさん、MAGICIAN HIROSHIさんに、今回も愛知県から津山までお越しいただきお手伝いをお願いしました。
大道芸を見慣れていないお客様に対して、勘所を押さえたMCをしながら、ときには警備員、ときにはチラシ撒き、ときにはPAさんと、裏方に徹してこのフェスの成功のために必要なことのすべてを担っていただきました。本当にありがとうございました。
そして、何が狂気って、この日本大道芸フェスin津山さくらまつりの翌週は、お二人が実行委員として運営されている「モリコロパーク大道芸フェスティバル(通称モリ芸)」の開催日なんです。お願いをする段階の時に、「モリ芸の準備が忙しいタイミングなんですが。。。無理ですよね?」に「全然いいっすよ」ですからね?翌週モリ芸に遊びに行ったんですが、HIROSHIさんは津山と同じようにスポットMC/管理(2週連続土日、各日8時間くらい!?)をして、自分も更にショーもしてるし、エルさんは会場内を飛び回ってレフリーのコスプレしてるし。マジで狂気を感じました。
きちんと振り返りをすることが未来につながると信じて
いろんな狂気が重なり、そしてこんな思いで行った2日間の大道芸フェス、本当に大変でしたし、疲れました。
これだけ素晴らしいパフォーマーさんが出演をしていただけた段階で、もし失敗ってことになったら完全にイベントパートナーの責任だったんですが。
最終的な評価はお客様の判断としても、自分としてはやれるだけのことはやって、日本大道芸フェスに求められたことは達成できたのではないかな?と思えてます。(自分に甘いかも?)
こんな想いで実施した日本大道芸フェスin津山さくらまつり、来年が無かったとしてあたりまえです。そのような予定はもともとありません。もしも、もしも、来年以降、津山市からご依頼を頂けたとしたら、この文章をここまで読んでくださった全員で喜びを分かち合いたいと思います。
きちんと振り返りをすることが未来につながると信じて。
読んでくださったあなた。ありがとうございました!
イベントパートナー高橋